こんにちは!
私は数年前に建築学科(工学系)を卒業し、現在は社会人として働いている者です。
私は大学院には進学せず学部卒で就職し、現在は空調関係のお仕事をしています。実際に大学3年生から4年生にかけて就職活動を行なった経験をリアルにお伝えしていきたいと思います!
理系の学生には「大学院に進学するのか・しないのか」という大きな分岐点があります。
今回は大学院に進学するとどのようなメリットがあるのか、「就活」という観点から解説していきます!
不安なことだらけだと思いますが、みんなで一緒に乗り越えていきましょう!
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理系大学生の実態ー院卒・学部卒の割合
理系の大学生は4年間大学に通い、卒業後は就職し社会人になる人もいれば大学院に進学する人もいます令和2年度の内閣府の調査によると、日本の大学院の進学率は女子5.6%・男子14.2%となっています。(この数字は文理ともに含んでいます。)
文系の大学生も一定数大学院に進学する学生もいますが、比較的理系の方が大学院進学率は高くなっており、理系大学生のおよそ4割が大学院へ進学するという情報もあります。
下の表は大学別の大学院進学率です。
大学名 | 大学院進学率 |
東京大学 | 67.0% |
東京工業大学 | 90% |
京都大学 | 89.25 |
東京理科大学 | 49.6% |
同志社大学 | 55.8% |
国公立大学と私立大学を比較すると、国公立大学の方が大学院進学率が高いことがわかります。
また、偏差値が高く難易度の高い大学の理系学部ともなれば、9割以上の学生が大学院に進学していることもあります。
実際に、私が所属していた学科では50人のうち3人しか就職しませんでした。
残りの47人の大半が大学院に進学したことになります。
大学院に進学してから就職活動を行うメリット
では、大学院に進学していわゆる「院卒」として就職活動を行う際のメリットをご紹介します。
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研究職・開発職として採用されやすい
大手メーカーでは技術系総合職として理系学生を採用しています。
企業や業界にもよりますが技術系総合職とは主に、研究職(開発職)・設計職・生産技術職・品質職などがあります。
企業によってはこれらの職種を採用時はまとめて「技術系」として採用していたり、各職種ごとに採用していたりします。
いわゆる「ジョブマッチング」的なやつです。
この中でも人気の職種が研究職です。(技術系の花形的なところがあるかも)
入社後の配属であっても職種ごとの採用であっても、研究職に就きたい場合は大学院を卒業していることがほぼ必須条件であることが多くなっています。
化学系メーカーなどでは応募要項などで大学院卒が条件に含まれている場合もありますが、条件等が特に無い場合でも研究職はほぼ院卒で枠が埋まってしまうと考えられます。
当然ですが、研究職は研究を業務としているので、大学院という場所で研究の経験が少なくとも2年ある大学院生が優先されます。
研究室を通じた企業とのつながり(OB)がある
研究室にはたくさんのOBがいますが、大手企業で働いている優秀なOBが採用活動の一環として研究室で説明会や質問会を開催してくれることがあります。
リクルーターとして相談に乗ってくれる他、優先的に選考を進めてくれることもあるので有利に就職活動を進めることができます。
また、最近は少なくなっているようですが大学院生の方が学校推薦を利用しやすいといったこともあるようです。
しかしこれは大学によっても学校推薦の制度が異なるのことがあるので、就職担当の教授やキャリアセンターに相談してみましょう。
一般的に大学院生は学部生と比較して授業も少なく、時間の融通を利かせることができることもあり、学部生よりは有利に就職活動を進めることができると言えます。
(院生は研究室での活動は忙しいですが、多くの場合は時間の調整をすることができます。)
研究活動などの大学院での経験をアピールできる
大学院生は2年間、学部生よりも長く研究活動を行っています。
学会発表の経験(国内・海外)、研究室での活動などをESや面接でアピールしやすくなります。
学部時代も含めると6年間大学に所属しているので、エピソードのネタにも余裕が生まれると思います。
また、研究を進めるにあったて必要になる「論理的な思考力」「スケジュール管理能力」「コミニュケーション能力」などが身についていいると判断されやすくなります。
また、研究を進める際に英語の論文を多く読む必要があるため、自然に一定程度の英語力が身についていることもあります。
初任給が高く設定されている
多くの企業では最終学歴によって初任給が異なっています。
基本的に卒業時点での年齢が大きくなる博士が一番高く、学部卒が低くなっています。
大手企業では学部卒でも十分な金額の初任給が設定されていることが多いですが、修士以上の新卒社会人は1年目から結構もらえます。
しかし、これは卒業時点での年齢を考慮している部分もあるので、年齢が等しくなる「社会人3年目の学部卒」「社会人1年目の院卒」では大体同じぐらいの給料になると考えられます。
(もちろんこれは昇給のスピードや残業の有無にもよります)
学部卒で就職活動を行うデメリット
続いて、大学院には進学せずに「学部卒」として就職活動を行う場合の注意点・デメリットをご紹介します。
これは先ほどの院卒で就職活動を行うメリットの逆と言えるかもしれません。
応募条件を満たさない可能性がある
まず注意する必要があるのが、「院卒以上の学生しか募集していない」ということです。
業界や職種によっては「修士以上」を採用条件と設定している場合があります。
企業の採用ホームページなどにある募集要項をよく確認してみましょう。
研究職・開発職などは基本的に採用条件が「修士以上」と設定されていることが多くなっています。
やはり、「研究活動の経験がある大学院生」のみを採用するという方針の企業が多くなっています。
募集要項に学歴について記載が無い場合についても、残念ながら基本的に学部卒の学生は研究職に就ける可能性は低いと考えられます。
学部卒の学生でどうしても研究職へ就きたいという方は、一度採用担当者や大学OB社員に相談してみることをおすすめします。
(学部卒の学生で研究に携わることはできるのか?みたいな感じで)
就職活動をやりにくい
理系学生の多くは学部4年生までにはそれぞれの研究室に配属されます。
学科や研究室によって異なりますが、授業などの関係から、本格的に研究活動が始まるのは早くても学部4年生になってからではないでしょうか。
就職活動を始めるのは学部3年生の夏ごろから春休みにかけてという方が多いと思いますが、この頃はまだ授業があることが多く、企業説明会やインターンへの参加が日程的に難しくなる可能性があります。
大学院生は研究室活動がメインなので意外とスケジュールの融通は利かせやすいですが、学部生は授業を欠席する必要が出てくる場合があります。(その場合は授業担当の教授に相談してみましょう)
また、研究室に配属されていないことにより企業とのコネクションが活かせないことも挙げられます。
研究室に所属している場合は、研究室OBの大企業社員が説明会を大学で開催してくれたり、優先的に選考を受けさせてくれるケースがあります。
大学院進学率が高く、周囲に就職活動を行っている友人がいない場合も孤独な就活になってしまうのでなかなかキツいです。。
その場合は大学院の先輩や文系の友人に相談したり、協力することも考えてみましょう。
研究経験が短い・浅い
大半の大学では就職活動が活発になり始める4年生の4月に研究室配属が行われます。大学3年生までは講義や実験などの授業を受けるので、学部卒で就職する場合に研究に費やすことができる期間は4年生の1年間だけです。
メーカーなどの研究職や開発職などでは、研究経験が浅い学部卒はあまり歓迎されないことはあるようです。
また、理系の学生は選考を進める中で研究概要を発表する機会があります。
研究をほとんど進めていない学部生は、「話す内容が無い!」という状況に陥ってしまいます。
ただこれは上手に乗り切る方法もあるので、また別のページで解説します。
「理系は大学院に進学するのが当然」と見られてしまうこともある
レベルの高い大学の理系学部では、学生の9割以上のが大学院に進学することもあります。
企業の採用担当者は「周囲が大学院に進学する中、なぜ学部で卒業して就職するのか」必ず確認するので、明確な理由を用意しておく必要があります。
「大学の勉強について行けないから」「早くお金が欲しいから」などといったネガティブな理由はあまり歓迎されません。
まとめ
業種や職種によってはやはり大学院を卒業することで、有利に就職活動を進められることが多いようです。
2年間研究活動に取り組んだ経験が社会人になって活きるのは間違いありません。
一方で、理系であっても学部卒で就職することも全く問題ありません。
早く社会に出て経験を積みたいという考えで大学院に進学しなかった社会人も多くいます。
建築系の学生に限った話ですが、学部で卒業した進路について解説しています。
コチラ↓
一番大切なのは、「周りに流されないこと」です!
周りが大学院に進学するから自分も、、というような判断はやめましょう。。
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